事業承継で「利益剰余金」が最も大きな課題となっている実体験談

誰もいない土曜日のオフィスは、ちょっと寂しいけどこのご時世なら快適という言葉が合っているでしょうね。

 

マスクもしないで、2年前に買った60インチ画面のテレビにYou Tubeでお気に入りのミュージックビデオを流して、美味しいアイスコーヒーを入れて、ひとり快適に過ごしています。(と思ったら、少し経ってから千葉と吉里が来た。もう寂しくないw)

以前から「50歳で社長を引退する」と社内で宣言していましたが、その50歳という年齢が今。会社として現在第16期目です。つまり第17期からREPSS株式会社の社長は私ではなくなります。

 

こう書くとなんだか寂しい気持ちになったり、REPSSの歴史を振り返るといろんな経験ができたなと思います。しかし、私はREPSS社を退職するという事ではなく、代表権と役職から退くという意味ですので、私が担当しているお客様方にご心配をお掛けする様な事はないでのご安心ください。仕事は今後も継続しますので。

 

REPSS(レップ)社の事業承継

REPSS社を創業してから、今に至るまで本当にさまざまな方々に助言をいただきまして、心より感謝を申し上げます。保険関連の経営者、銀行卒の経営者、証券系卒の経営者、そして何より私のメンターでもあります元アップルジャパンの社長。

 

日本の中小企業は私の様な「オーナー社長」が実はほとんどではないでしょうか?

 

自らが創業した会社でも、親の代から引き継いだ2代目社長や3代目社長は、それぞれに悩みを抱えていると思いますが、例外なく私も困った事に直面しています。

 

社長職は必ず交代時期がいつか訪れます。私の考えはじーさんになってまで社長という名にしがみついている姿がかっこよく見えないので、潔く若手に交代した方が良いと判断したんです。もちろん、かっこ良いとか、かっこ悪いとかってのは表面的な表現に過ぎません。

 

第16期11月決算に向けて、事業承継の準備を進めていますが、現時点での実際の経験では本当に難しい事が多々現れます。

バイアウトをしない理由

私が会社を社外の他人に、またはどこかの他社に、俗に言うバイアウトを計画しているなら、そこまで悩まないかもしれません。もし、他社にバイアウトして数億の現金を握る計画であれば、従業員には「資本の大きな会社の方が皆にとって安定的だし安心感が増すよ」と適当な事を言葉巧みに言い回すこともできるかもしれません。

 

しかし私が現金をひとりで握るより、信頼している社内の部下にREPSS社を任せたいのです。今のスタッフと私が築き上げた風土や文化と実績を想い入れのあるスタッフに任せたい。お金で簡単に解決する気持ちになれないんですよね。つまり「世襲」もしないという判断です。

 

16年継続した会社は、まだ初期の頃、営業利益が赤字で経常利益が黒字になったりして、当時の税理士から「かっこよくない決算書」という言葉にモヤモヤしたりした。その言葉もあってか、どのくらいだろうか?約13年か14年か15年か分かりませんが、営業利益を黒字続きで継続してくる事ができました。

 

法人税も消費税も毎年適切に収め、繰越利益剰余金も着々と積まれてきました。

評価を気にしなくなった

私の経営感覚で、銀行さんの顔色を伺うような関係性や銀行評価は一切気にしていません。帝国データバンクの評点やTSRは少し意識した事はありますが、REPSS社のビジネスモデルの場合(大きな設備投資がない)やIPOを目指してもいないのに、評点をそこまで気にする必要もないと途中で思い、社外評価思考から、社内評価思考に切り替えたのは、もう10年以上前だったでしょうか。

 

コロナに世界中が襲われる前までは、毎年社員全員を連れて海外へ社員旅行にも行きました。それも12年連続で。今では少し懐かしい思い出。次いつ行けるんだろうね。

給与水準

給与体系もたくさん悩んで今の運用に落ち着いている。営業担当は歩合という制度があるので、保障給の厚さと歩合の厚さで成果結果が給与として支払われるのである意味分かりやすいのですが、内勤スタッフの評価をどう捉えるか、そして事務スタッフの給与を日本の平均年収(2020年459万円)より必ず上回らせたいと思い、数年前に事務スタッフ給与を年収500万以上にまでできた。もちろんそこで止まる事なく、事務スタッフ年収は600万でもそれ以上でも成長に合わせて上げていって欲しい。

 

事務スタッフは「生産性がない」と誤解している経営者も実は多い気がしますが、生産性を作れる最前線で活躍しているスタッフや経営陣を支えているいる役割が事務スタッフである以上、欠かせない存在である事は間違いない。生産性を支えているスタッフの存在は「生産性がある」のです。

 

REPSS社に直接関わってくれているスタッフを信頼して16年継続してきた会社は、皆のお陰で成長する事ができました。皆のお陰で成長した会社の大株主が私だからといって、私の会社だと言えないのです。だから他人や他社にバイアウトを考えずに、部下に事業承継したいのです。

自社株はいくら?

今直面している大きな問題があります。

 

皆の努力があって成長してきた会社は、しっかり納税し繰越利益を積み上げてきました。その結果、会社の資産価値は高まりました。会社の資産価値が高まるという事は、会社の株価が上がっているという事です。

 

今皆さんの会社の1株あたりの単価はいくら位ですか?

 

会社を創業した時に、例えば資本金300万円で発行株式が60株の場合、1株あたり5万円だったでしょう。今その1株はいくらになっていますか?その株式価格と自分が保有している株数の掛け算の合計が、ざっくりですが事業承継の壁になる事がありそうです。

 

皆さんの事業規模や経営状態で、もしかしたら1株単価が大きくなりすぎていたり、株価を薄める為に追加で株式発行するにしても単価が上がりすぎている状態や、ストック・オプションを事前に準備した会社は少ないでしょうし、株価の評価減という方法論もありますが、一時的に会社の通帳残高が大きく目減りする準備が必要だったりと、事業承継には実体験としてさまざまな課題が浮き彫りになってきました。

 

管理会社を作る?なんて話もありますが、また会社を作るにしても、管理会社が融資を受けてREPSS社を買取るという方法では、その新設会社の資本株式発行を今度は平たく分配して、持ち株を標準化させる手立ても無きにしもあらずですが、その新設会社はこの規模程度だと返済に追われる気がします。

 

バイアウトもIPOも目指していないのに、真面目に繰越利益を積んできたのですが、事業承継で思いがけず難しい課題にも直面中です。誤解の無いように言葉を添えますが、繰越利益を積んで来たことが、間違いでも後悔もありませんし、むしろ納税したきた事で綺麗な道路を通れたり綺麗な公園で緑に触れたりと嬉しい事ですし、会社全体として喜ばしい事だと思っています。

オーナー社長は必ずその時が来る

この課題は、特に「オーナー社長」には必ず向き合う時期が来ます。そして「世襲」はしない「他人や他社にバイアウトをしない」と考えるなら、早い段階で手を打つ必要がありそうです。私の実体験でそう思います。

 

今後も、実体験を元に皆さんの未来にとって役立つ情報が書けたら書いていきましょう。

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